トモコヴォイス会報誌vol.61
「旅に出よう」
ー東北発・未来塾~人から学べないものー
テレビをつけたら『東北未来塾』という番組をやっていた。
たくさんの人が東北へやってくるように地域復興の観光を
東北の大学生が自ら作っていくというものだった。
その講師は星野リゾートの星野佳路さん。
星野リゾートといえば、採算が合わなく、潰れそうになった老舗旅館やホテルを
その地域にしかない魅力を存分に活かした高級リゾートやファミリーリゾートへ
魅力的なものに変身させ再建する復興事業そのものだ。
日本全国を手掛けている。
暗い顔をしていた従業員がとてもやる気があり活き活きとなって、
来てくれるお客さんに笑顔で接待するようになる。
私は星野さんの考えや、やり方にとても興味をもっていた。
そんな星野さんから直々に学ぶことができるなんて、
ひぇ~、幸せな大学生だ!
っと羨ましく見ていた。
その地域の魅力がでている写真を撮るということをしていた。
陸前高田、桂島、石巻の3つのチーム、
水色の海、白い砂浜の前のワカメの写真、
男の子が船の先頭にたくましく立ち、進行方向をまっすぐ見ている様子の写真、
うまそうにアツアツの牡蠣を軍手で食べている若者の写真
と、それぞれ何枚も撮った写真から選んでいた。
写真って言葉以上に伝わるものがあるなって思った。
星野さんはそれらの写真にキャッチコピーを載せることを
指示していた。
男の子の写真には太文字で真ん中に
『全力で背伸びしようぜ』
と書かれた。
お~つ、伝わるものがさらに大きくなってきた。そしてその横に
『一泊二日の冒険の旅』
と小さく書かれている。
旅のポスターのようになってきた。
そんな具合に授業は星野さんのもと進められていった。
最終日に星野さんはこんなことをいいだした。
「みなさんに伝えることには限界があると感じました。
旅で感動したことを教えてください。」
と大学生からの答えは
「あんまり旅に行かない」
というものがほとんどだったのだ。
修学旅行が最後だとか・・・。
私は小さくもちょっとショックを受けた。
私は高校生の頃、友達とJRの青春十八きっぷを利用して
車中泊で和歌山県までいったり、引っ越しした友達に
会いに淡路島にいったりしたもんだ。
アメリカでもよくアリゾナやサンフランシスコ、ニューヨークと
旅をした。
星野さんは
「旅にいったことがない人が旅にい来てくださいっていえない。
ぜひ旅に出て、日本の良さを知ってください。
そして何に感動するか、心からすごいっとか、嬉しいとかの感動をして
感性を磨いてください。」
といった。
なるほど、全くその通りだ。
日本の良さ、地域の良さ、そして人との出会いからも
感動を味わえる。
家は帰ってきた時に、また自分のところの良さを
再確認できたりするのかもしれない。
それが旅の素晴らしさだ。
星野さんは旅、観光を通して日本の良さをその地域で現しているのだなぁ。
日本には、『おもてなし』という言葉がある。
私にはとても上品で、日本の良さがその言葉にも現れているようにさえ思う。
アメリカの旅も大自然を感じられたり、
人のフレンドリーさを味わったりと面白いのだが、
日本には、お客様を大切に迎えますという人の心からの
『おもてなし』がある。
あれを味わえるのは日本の旅なのだ。
さぁ、感動しにいきたい!
旅に出かけたくなった。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.61より
(2012年6月1日)