トモコヴォイス会報誌vol.49
「長距離ドライブ!」
ー 突然の楽しい週末 -
私は車が好きだ。
アメリカに住んでいた時はおんぼろ車を三台乗り継いだ。
古い車はちゃんとケアしなければならない。
今日一日止まらずに走ってくれますようにと
願っていたのを思い出す。
九百ドルで買った車は三ヶ月後にエンジンの中の
タイミングベルトが切れて、道路の中側車線しかも
信号の前で止まってしまった。
修理に八百ドルをかけて一年後に七百ドルでメキシコ人に
売ったが、初めての車でそんな重症の車と付き合うことに
なったため、こうするとこう治せるや、この液体で少し
軽減するなど、車のケアの仕方を知っていった。
また三台乗ることでそれぞれの車の走り方の違いを
知ったりして好きになっていったのだろうな。
なので長距離を走るのも好きだ。
日本では東北、山形、京都など、アメリカだとロサンゼルスから
アリゾナ、グランドキャニオン、モニュメントバレー、
サンフランシスコ、オレゴンまでも走ったものだ。
アメリカはとても広大で、町と町を繋ぐフリーウェイを
ひたすらまっすぐ走る。
景色は地平線までも見え、他は草と大地。
初めてはオォっと感動するが、一時間も走ると眠気に襲われる。
スピードもついつい出し過ぎてしまったりする。
先週末、九州大分の友達家族がなんと、車でこっち、
湘南に来ると言い出した。
なにっ!とびっくりした。
今の日本は新幹線、また飛行機と移動時間を
短縮するための交通機関はたくさんある。
それなのに車で走ってくる!
後できいたがナビで初めに住所登録すると
日本地図が出てきたと言っていた。
そうまさに日本縦断だ。
上の子は二歳、下の子は五か月の女の子を二人連れて
四人家族で金曜日の夜九時半ごろロングドライブが始まった。
三時間後に九州を出て朝七時前には岡山県あたり
十時ごろに滋賀県草津、夕方十六時半に神奈川県に
入っていた。
私にメールで進行状況を教えてくれていたので面白いもので
私も車にのって運転しているような感じだった。
長い道のりを経て土曜日の十八時半、
イタリアンレストランでの私の演奏に間に合ったのだ。
そこで彼らに会うことができた。
ひゃ~すごいもんだ。
計二十時間のドライブ、私の場合はアメリカの長距離ドライブで
一日十時間走って宿に泊まり、また走るって具合だったが、
彼らは一気に二十時間夫婦二人で交代だが、疲れただろうに~。
イタリアンを食べながら演奏を聴いてもらった。
五か月の彼女は私の方をじっと見て天使の微笑みをくれた。
二歳の彼女は元気でおしゃまな女の子。
こんな長いドライブ後も元気パワーは不滅だ。
無事演奏は終わり、ゆっくりと話したいと思っても
家へ帰ってくると我が子も入れて子供のお風呂入れや、
寝かせつけやでバタバタと深夜になり、気づけば次の日の朝だ。
日曜日はできるだけゆっくり、楽しく過ごしてもらいたいと
海浜公園に行った。
天気はとても良く、陽射しがまぶしく暑いくらい。
二歳の彼女は滑り台で元気に遊んでいた。
大人達は日陰で彼らが買ってきてくれた名古屋からのお土産、
ういろうを食べた。
これが冷えてて美味い!
ういろうとはこんなに美味しいんだな、
なんて感心していた。
あっという間に楽しい時間は過ぎて夕方十八時に
彼らは大分へ帰る時になった。
なんと一泊で戻る強行軍だ。
月曜日の夕方十六時に無事に大分へ着いた。
日本は狭いといってもやっぱり長い距離だろう。
彼らのやるといったらやりぬいたドライブ。
熱い情熱が伝わってきて、ワクワクした。
楽しいひとときをありがとうの気持ちで
いっぱいだった。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報紙 vol.49より
(2011年6月1日)