トモコヴォイス会報誌vol.34
「バンクーバーひとり旅」
はじめてのカナダ、ビザ取得の珍道中~
こんにちは。
まだまだ寒さが続きます。お元気ですか?
先日鎌倉へ散策へ行ってきました。
梅の花からほのかな香りが漂ってきました。
小さな春でも心がぽっと温かくなりますね~ (^O^)/
今月22日からカナダバンクーバーで開催される
冬季オリンピックを楽しみにしている。
もう10年前になるだろうか、そのバンクーバーに
私はビザ取得のためロサンゼルスから一人向かった。
ビザとは、外国に滞在する必要な許可証だ。
アメリカであれば、アメリカ国外にある大使館で発行される。
当時ロサンゼルスに6年の滞在をしていた私は、
一度アメリカ国外に出て取得してこなければ
それ以上にアメリカに滞在できなくなってしまうという
瀬戸際に立たされていた。
既にヴォイストレーナーの仕事もしていたため
どうしてもそのビザが必要だった。
緊張しながらも一月の冬の朝、
ロサンゼルス空港から四時間、
バンクーバーへ飛ぶ。
バンクーバーは半島で、海、川に囲まれて、
雪が積もった高い山々もある。
ちょうど厚い雲から晴れ間がさし、
水面がキラキラと輝いている光景が、
雲の間をぬって下降してきた飛行機の窓から見えた。
ひゃぁ~、
この世のものとは思えないほど、綺麗で美しかった。
雪や海で光る白銀の世界がそこにはあった。
空港を降りると、アメリカとは違う空気。
この異国に初めて立つ時がワクワクして大好きだ。
もちろん英語なのでいつもと同じなのだが、
ロサンゼルスはメキシコに近いため、第二ヶ国語がスペイン語で、
英語とスペイン語が表記されている。
バンクーバーは第二ヶ国語がフランス語なのだ。
フランスっぽいのが私にとってはとても高貴に感じられ、
へぇ~、かっこいいなぁと思った。
またバスの運転手も白人だったので、
これまた雰囲気が良く感じられる。
ロサンゼルスはメキシカンや黒人が多いのだ。
宿泊先を決めてこなかったので、
まずはバンクーバーの街へとバスで向かい、
安全そうな場所をしらべモーテルを決めた。
交渉で値段を安くしてもらい、まずまずの部屋を確保。
外へ出るとラーメン屋等、日本語が書かれたお店もたくさんあって、
やっぱり日本人観光客が多いんだなぁと実感する。
あとカフェが多いことにびっくりだった。
道の十字路にある四隅の店がすべてコーヒーショップなのだ。
しかも、お店は満員。
外の寒さと中の温かさの違いで、窓がみんなくもっていた。
とにかく寒いんだ。
次の日、アメリカ大使館に行き、偉そうな面接官の前でドキドキ面接。
あ~、もう終わった、もう落ちただろう
と勝手に落ち込んだ。
でもまだ呼ばれた時間に戻り、自分のパスポートをあけると
「あったっ!」ビザスタンプが。
許可されていた。
その瞬間、目の前が明るく開けて、天国気分になる。
そこからのバンクーバーのひとり旅はもっとも楽しく幸せになった。
気分がよくなったせいか、たくさん歩いた。
顔に冷たい空気があたり、素肌を出していられない寒さ。
体力の限界まで海近くの公園を歩いたその先に、
一つだけポツンと
ヴィクトリア調建物のレストランが目の前に現れた。
もう値段が高いかどうかなど気にしていられない、
とにかく暖をとりたい思いでレストランへ飛び込む。
お客はあまりいなかったがやっぱり高級そうな雰囲気だった。
鼻を真っ赤にしたアジア人がひとりで入ってきて
店の人はびっくりしたかな?
でもとても丁寧に対応してくれて、
おいしい料理を出してくれた。
ゆでたジャガイモスライスにスモークサーモン、
その上に半熟玉子。焼きたてパンといただく。
あ~、まさに天国気分をカナダで味あわせてくれた。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.34より
(2010年2月2日)