トモコヴォイス会報誌vol.85
「空をみよう」
ー視野を広く、心も広くー
私が8年間のロサンゼルス生活から、日本に帰国してもう10年が過ぎた。
時が経つのは本当に早く感じる。
その間、アメリカ永住権も持っていたので行き来しないとならなかった。
しかし4年前に子どもが産まれた年にアメリカ大使館に返還したため、
もう日本の生活だけとなった。
でもやはりときどきロサンゼルスの生活を懐かしく思い出す。
車を運転しているときに日本とアメリカとの違いを大きく感じる。
渋滞のとき等、自分の視野が狭くなっていることに気づく。
あたりまえだが、前方の車を見るため目線が車の高さ、その左右のみになる。
意識が集中していて、その周りやその景色を見ていない。
一方、アメリカ、ロサンゼルスでフリーウェイを走っていると
空が広く山も見える。
家で仕事して、いざ車に乗ると景色をみて
開放感を感じ気持ちよかったのを思い出す。
渋滞しても遠くの景色が目に入っているように感じる。
やっぱり国土の広さが違う。
先日、テレビで日本一高い卵をつくっている生産者がでていた。
1つ500円する卵。
ニワトリはストレスがないように自由に
広いところでのびのび放し飼い。
その言葉が私に響いた。
ストレスがないためには生活する空間の広さが必要なんだ。
それが美味しい卵を産む秘訣なのだ。
それは人間も一緒なんだろうなぁって思ってしまった。
人間も必要な空間、広さのあるところで生活することが
人間の身体、精神にとっていいのだろう。
そして良いものを産むのかもしれない。
しかし現実を嘆いているだけでは仕方がない。
それをわかって生活したらいいと思うのだ。
空を見ようと思った。
どこにいても、上をみれば空をみられる。
家の中からでも窓越しに見える小さな空でも、
空の高さを感じると広さも感じられると思う。
狭くても広さを感じられる。
知り合いにぜひ逗子の先の葉山に来て下さいっと言われ、
晴れた秋分の日に家族で行ってみた。
tomokoさんは葉山に合いますと言うのだ。
ちょうど夕方のサンセットを浜辺で見ることができた。
私はこの光景は懐かしいと感じた。
そう、ロサンゼルスの海と同じなのだ。
海が西に見える。
空には沈む太陽の光、とても奇麗だった。
山も海もあってのんびりと自然を感じ、古い家もおしゃれになって
アーティスティックな自由さも感じられる。
私は葉山が気に入った。
一緒に行ったその友人は不思議な力を持っていて、
私のオーラに余計なものがあるといいだし、
それをとってくれた。
自然はエネルギーを浄化する作用があるらしい。
自分が発するエネルギーを良くしておきたいなぁっと思った。
そのあと私は『風立ちぬ』を観た。
宮崎駿の映画だ。
私は主人公の堀越二郎が美しい飛行機をつくりたいと、
夢に向かって一心になる姿が爽快だった。
日本のその時代の描写も素晴らしい。
背景画もそうだが、人の生き方をカッコよく描いていると感じた。
飛行機の中の構造から飛行機が飛び、
どこがダメだと、設計ミスで落ちてしまうか
という飛行機設計者の頭の中の想像を表現した
映像も面白かった。
それはアニメーションだからこそできる技だ。
この映画もやはり空がいっぱいでてくる。
宮崎駿の映画が私も好きだ。
それはきれいな空がたくさんでてくることが
私は嬉しいのかもしれない。
美しい空の中を気持ちよく飛行機が飛んでいく。
その様は見ていて心が和むとともに強さも感じる。
夢に向かうことを感じる。
肯定的な気持ちも感じる。
そうだなぁ、
やっぱり空をみよう~。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.85より
(2014年10月1日)