tomokoの音楽暦 第30回 「新曲 Keep my promise」
昨年のクリスマスライブで新曲を歌った。
何か自分の真実を歌える曲をと考えた。
その方が歌に心がこもる。
父が亡くなってから七年が経つ。
亡くなった年は私は何をしていても涙が止まらない。
辛くてこれをどうやって自分の中で位置づけて、
冷静になれるのか彷徨っていた。
私の両親は私がアメリカへ行くことも音楽をやることも
一度も反対してきたことはなかった。
すべて私の選択に任せ、応援してくれる。
父も母も、それぞれの気持ち、やり方で応援してくれて
いるのがアメリカにいた時も、また今も感じている。
日本に帰国してから私は改めて自分の音楽の土壌を作るため
必死に活動していた。
時には寝ないで食べる暇もない。
それを両親が横で心配していた。
母は感じたことをすぐに言ってくるので、よく私たちは
ぶつかってしまうのだが、それも私を心配してのことだと
わかっている。
私の努力が報われるのだろうか、何か助言をしたほうがいいか
父は迷っていたのだろう。
でも私を責めず、私の仕事の立場、あり方をわかって
くれようとしていた。
それが私にはわかっていたのでその日あらためて
「感謝している、ありがとう」
と父に言った。父は
「あったりめぇだ 娘なんだから」
チューハイの缶を片手に持ちながら
照れくさそうに言ってくれた。
「でも、これから良くなるから、
自分の音楽をやっていくよ」
と私は父に安心してもらいたく
自分の決意を話した。
それが最後の会話
父は交通事故で亡くなった。
父に安心してもらえずだ。
こんなことが自分の人生に起こるのか。
それでも時は経ち、私は歌、音楽を続けている。
応援してくださる方がたくさんいてくれる、
自分の家族もいる。
こんな人生を送ることができるとは本当にありがたい。
まわりの人のおかげで私は生かされているんだ。
その気持ちとあの会話の時に自分で言った決意を
自分の指標にするためにこの曲を書いた。
この曲を歌うたびに私は感じることができる、
あの時の決意と周りの人への感謝の気持ちを。
曲名は
「Keep my promise」
とした。
tomoko