トモコヴォイス会報誌vol.67
「クリスマスの思いで」
ー アメリカのクリスマス -
今年は210cmもあるクリスマスツリーを飾った。
木の上に飾るツリートップの星も飾ると天井に届きそうだ。
こんな大きなツリーだと飾るものもたくさん必要。
まだ見える前面にしかオーナメントを飾っていない。
でも毎晩、二歳の息子と綺麗だね~っていっている。
私はアメリカでこんな天井に届くほどのツリーを囲んで
クリスマスを過ごした体験がある。
アメリカの大きな祝日は、独立記念日七月四日、
それと十一月のThanks Giving(感謝祭)
そして一番大きな祝日クリスマス。
ハロウィンが終わるとHoliday Seasonとなり、
もう祝日気分が漂う。
家族みんなが集まって食卓を囲み
新しい年を迎える。
ちょうど日本のお正月のようだ。
スーパーでは大きなターキーが売られる。
頭、内臓だけを取られビニールでラッピングされ
冷凍されている。
30、40cmぐらいの大きな七面鳥だ。
その祝日を迎えるためお母さんたちは
腕をふるう料理で大忙し。
大きなスーパーのカートに山盛りたくさん
食料を買いこんでいく。
子供達のクリスマスプレゼント、
お父さん、お母さんへのクリスマスプレゼント、
または恋人へのクリスマスプレゼント。
みんながみんなへプレゼントを渡す。
そのプレゼント選びを楽しむ。
十二月になるとロサンゼルスでは
駐車場だった場所に木のチップが敷かれ、
そこにモミの木がたくさん、まさに森が出現する。
オレゴンやシアトルからクリスマスツリーを売りに来るのだ。
モミの木の香りの中、家族でツリーをどれにするか
選ぶのも楽しみだろう。
私も毎年、家に飾れる1mぐらいの高さのもの
(8ドルぐらい)を買いに行っていた。
まるで日本の年末に門松、正月飾りを
買いにいくようなものだ。
渡米をして初めて迎えたクリスマス。
短大時代に1ケ月ホームステイしたオレゴンの
ホストファミリーに会いに行った。
その年の三月にも私は訪れていたので、
まるで暮れに帰郷するような気持ちだった。
オレゴンにつくとホストファミリー、
高校生の娘のケイティーと母パットの二人が
私を家族のように温かく迎えてくれた。
空港からの二時間のドライブでクリスマス
のイルミネーションがキラキラする町並みを通り、
そして馬が6頭、犬4匹、猫、鶏と動物たちの方が多
い彼女たちの可愛い家に着いた。
馬が昼間過ごすフィールドや馬舎もあったり、
とても土地面積は広いのだが、それに比べると
人間が住む家は小さい。
彼女達のそれぞれの部屋の大きさは6畳ぐらいかな。
そしてリビングも6畳、キッチンとバス合わせて6畳
ぐらいの一階建ての家。
家の前には大きな木がそびえ立っている。
二人が楽しそうに私を家に招いてくれる、その先には
本当に大きな、天井に届くツリーが飾られていた。
それは正三角形の木だった。
金属の糸状のもの、ツリーによく飾るキラキラ光る
銀色などのふさふさしたものの一本一本をTinselと
いうのだが、そのTinselだけで飾られていた。
二人は私が来るので、この素敵なツリーを選び
飾ってくれたのだった。
木の香りが部屋の中に漂い、それはとても
キラキラと輝いて美しかった。
ツリーの下にはたくさんのプレゼント。
私も持ってきたプレゼントをそこに置いた。
壁には私ようのストッキングまでかけられていて
その中にもプレゼントが詰められている。
次の日の二十五日の朝は早く起きてその
プレゼントをお互いに渡しあった。
彼女達のプレゼントはオレンジだったり、
手書きの絵だったりととても心がこもった
プレゼントで嬉しかった。
お金を払って豪華なものよりも、
それがどれだけ素敵かを実感した。
そしてパットの美味しい料理を食べた。
外は寒く雪がたくさん積もっている。
でも家の中は温かい。
心も温かになった。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.67より
(2012年12月1日)