トモコヴォイス会報誌vol.43
「坂本龍馬の生き方から」
– 日本をよりよい国へー
アメリカで生活していた時、あ~やっぱり自分は日本人だと
感じることが多々あった。
日本にいるとそれが感じられなかった。
日本を離れて他の外国人と比べることで感じる
ことなのかもしれない。
それは遠慮することや、他の人との協調性を重んじることや、
言わなくても通じるだろうという以心伝心だったりする。
自分にはないと思っていても自然と思い、自然と感じる、
思考パターンが、他の人とは違う日本人ならではのものが
自分の中いあるのではないかと気づいた。
自分がなぜこういう感じ方、考え方をするのだろうと、
掘り起こしていくと、日本に辿り着く。
日本人がどう生きてきたのか、学校の授業では嫌いだった
日本の歴史にとても興味を持っていった。
今年のNHK大河ドラマは坂本龍馬を主人公にした「龍馬伝」。
ロサンゼルスにいたことからこの大河ドラマを見るように
なっていた私は今年も見ていた。
このドラマは歴史上の人物一人を一年通して描いていく。
ドラマの良し悪しはいいとして、その歴史上の人物を
考えるきっかけをくれると思うのだ。
あらためて坂本龍馬が生きた時代、彼の考え方、行動をみる。
今から170年くらい前、四国高知県の土佐で生まれる。
武士にとっては大きな罪となる脱藩(藩から抜ける)をするが、
貿易会社と政治組織を兼ねた亀山社中(後の海援隊)を結成し、
他の人からは不可能だろうと思われた敵同士だった薩摩藩と
長州藩を結びつけ、同盟を組ませ、徳川幕府から政権を奪う
ことになる大政奉還をさせた。
そして満31歳の若さで暗殺される。
短い生涯だったかもしれないが人の何倍と生き抜いたように
感じられる人だ。
なぜここまで、できたのだろう。
彼の生涯は江戸や京都長州や薩摩あちこちを歩きまわっている。
それだけでも軽い気持ちではすぐにくじけてしまいそうだ。
本当に強い志しを持っていたのだろう。
その時代電車やバスなどないのだから今では想像もつかないほど
歩いていろんな人と出会い、自分の考えを説いたのだ。
もしかしたら歩いたからこそ、いろんな景色や人を見て、
想像をして自分の考えを確認できたのかもしれない。
一つ行動すると、次の行動を呼ぶのかもしれない。
自然と次に何かをするとたんたんと動いていって
大きなことをやりとげた。
龍馬は身分のへだたりなくみんなで日本を良くしていくという
今では当たり前の考え方を、当たり前ではない時代に貫いた。
私がアメリカに住んで感じたように、黒舟が来たことで
はじめて外国を意識し、日本を意識する。
そして日本がなるべき姿、より良い日本になってほしいという
強い思いがあるからこそ、あきらめずに最後まで行動できた
のだろう。
こうあってほしい強く願うエネルギーが行動の原動力に
なるのだろう。
人間やればどうにかなる。
やってみなければわからない。
そんなメッセージが後の私たちにもぐんぐんと彼からは
伝わってくる。
より良い日本になるように、人々の暮らしがより良く
なるようにしたい。
今の私たちの時代で何ができるか?
問いかけてみる。
龍馬たちその時代の人々の思いは今の私たちにも
共感でき、つながっている。
そうやって龍馬の思いや行動は
まだまだ続いていて・・・生きている。
tomoko
トモコボイス紙面会報誌 vol.43より
(2010年12月1日)