【tomoko通信】いまでも「The Voice of the Mind」から vol.117

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こんにちは
tomokoです。

わたしのプロフィールで
チェザリィヴォーカリスィズ発声法の名著
「The Voice of the Mind」の技術監修を
したとある。

これは、原書は英語で、
1951年に、E.Herbert Caesariにより書かれたもの。

私は1999年から2000年にかけて
英語を日本語にする作業の手伝いをした。

具体的には翻訳家から送られてくる原稿の
チェックだった。

日本語は主語が曖昧だったりするが、
英語はその点が明確だ。

説明書などだととても明確に
「何が(主語)、何をする」
と書いてある。

そこがまぜこぜになり、
「声帯」がそうするという文も、「人」がそうする
というように書かれたりしているところを指摘し、
原文に忠実になるよう、翻訳を校正していった。

日本語の翻訳本は553ぺージにもなる本となった。

はじめは文章が多く、当時のヴォイストレーニングの
現状から話が始まり少し批判的な印象もあった。

私はレッスンを先に始めていて、その後、
ヴォイストレーナーになる時この本を読み始めたので

実践・実感が先立ち、
臨場感(実際にあるように感じる)を持って
理解できた。

もしも文章が先だったら理解度がまた違うだろう。

今も読んだりするこの本は
チェザリィ氏の祈りのようにさえ感じる。

1951年当時で、歌唱レベルの低下、
真のヴォーカルメカニズムを知っている
教師がいないと伝えていた。

ファワードプロダクションが、
その当時蔓延しているというのだ。

それはなにかというとすべての音(どの音程でも)
を前方に向けて押しやるような歌い方をいう。

そうすると横隔膜でささえ、空気の圧力で
声帯の振動数をあげる必要が出てくる。

高い音などは、苦しい歌い方になり、
音が不安定や音程が下がる(フラットする)。

これを当時から見抜いていて、
必死に文章で伝えているのが伝わってくる。

それを有害なフォワードプロダクション
と呼んでいる。
(フォワード forward=前へ。)

私がこれに関わることとなったのも、
なにかの縁なのだろう。

その想いが彼から私に
引き継がれていってるのだろう。

私が歴史にロマンを感じるように、

声をだすこと
人間の発声メカニズムを探求すること

にロマンを感じるなぁ。

伝え続けていこう。

tomoko

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