トモコヴォイス会報誌vol.78
「すべての子共が天才である」
ーヨコミネ式『読み・書き・計算』ー
私が住む茅ヶ崎市は子供が多い。
今問題になっている待機児童がたくさんいる。
保育園、幼稚園どちらも入れるのが大変と聞いていた。
私は9月から産休に入ったが、大きなお腹で息子を連れ、
車を運転し幼稚園の見学会周りをした。
どんな園があるのかと8園行った。
幼稚園にはいると、子供たちの声が元気いっぱい、
うさぎやクマや、アンパンマンなんかも壁にはってあったり、
ぞうやキリンなどの滑り台、可愛らしい遊具がある。
どこも楽しい雰囲気を作っている。
それぞれに特徴はあるが、どこの園も子供たちのために
先生方は一生懸命だなと感じる。
以前、「エチカの鏡」というテレビ番組で、
ヨコミネ式幼児教育をみたのを思い出した。
鹿児島県の志布志市というところの
保育園の様子がテレビに出ていた。
そこの子供たちは逆立ち歩き、大人も顔負けの
高い跳び箱をどんどんとんでいる。
うわぁ~なんだこれ?と初め見た時、びっくりした。
中国歌劇団のような印象だったけど、
よく見るとひらがな、漢字を書いている。
幼稚園とは思えないようなことをしている。
自分から率先して読み、書き、計算の
自学自習をしているのだ。
その子供たちの目は輝いて元気いっぱいだ。
楽しくって仕方がないといった感じだった。
私はあらためて
『「ヨコミネ式」天才づくりの教科書』
という本を読んだ。
著者の横峯吉文氏が約30年かけて鹿児島県志布志市の
3つの保育園(通山保育園・伊崎田保育園・たちばな保育園)
で考案した教育法。
平成17年より幼児活動研究会/日本経営教育研究所とともに、
YYプロジェクトという教育メソッドとして、
日本全国の幼稚園・保育園へ全国展開をしていて、
今ではその教育方法を導入している園は100を超えている。
なぜ彼がそこまで子供たちにさせるようになったか、
それは落ちこぼれを作らない、
子供はだれもが天才だという信念からだった。
『子共がスタートラインで劣等感を抱いてしまうと、
勉強や運動が嫌いになって自信を失う。
こうした体験は、その後の不登校や非行の火種になる。
できない子のやる気を失わせるのは、劣等感と甘えの二つの感情であり、
自立心が養われぬまま、このふたつの感情に支配されると、次のステップへ
進む前にすねてしまい、勉強も運動も努力することを放棄するようになる。
今、全国にニートと呼ばれる若者が85万人もいる。
彼らはどこでつまずいたのだろうか?
小学校入学まえにほとんど原因がある。』
というのだ。
私が興味深いと思ったのは子供にやる気を引き出す
スイッチがあるということだった。
子共は押し付けると嫌がるが楽しければ何でもする。
四つのタイミングにそれぞれスイッチが存在すると
わかったという。
①子共は競争したがる。
②子共はまねをしたがる。
③子共はちょっとだけ難しいことをしたがる。
④子どもは認められたがる。
『遊び、運動、勉強、食事、掃除、あらゆる局面で、
このスイッチを入れてやったところ、子供はグングンと
伸びていきました。
親の遺伝子は子供に引き継がれ、確かに多くの面で似るものです。
子共の能力に差なんてない、あるのはスイッチが入りやすいか、
入りにくいかという時間差の問題だけ、そう私に教えてくれたのです。
時間はかかってもタイミングよくスイッチを入れてやれば、
どんな子だってみんなと同じことができるようになります。』
と彼はいう。私が我が子で実験した。
忙しい時は手を出してしまいがちなのだが、
靴をはくことは本人にやらせて、いっさい私は
手をださない決意をした。
そうすると彼は自分ではできることが楽しそうで、
靴を履くのがより上手に速くなった。
他のことも自分でやろうとしだした。
また読み書き、計算もやらせてみた。
とても楽しそうで彼は毎日したがる。
「競争だ! よーいドンっ」てすると
疲れた顔が一変してよしやろうって
楽しそうに動き出す。
できることや一番になれるって嬉しいのだ。
勝手にやりだすというのがわかる気がした。
怒ることも少なくなり気持ちに余裕ができる。
子育て奮闘の中から、人間の本質がそこにある気がする。
人間の可能性ってすごいなぁ。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.78より
(2013年11月22日)