tomokoの音楽暦 第31回 「レコーディング」
ハリウッドの音楽学校に通っていたときに、
たくさんのレコーディングセッションをさせてもらった。
学校は24時間オープン。
昼間は授業で使われているスタジオを利用して
夜中にレコーディングをするのだ。
これが週3日ぐらいつづく。
昼間と夜が逆転だった。
バンドでの録音だったので夜中12時から
ドラムセッティングがスタートし、
それからドラムにマイクをつけていく。
スネアの上と下に、バスドラムの前と後ろに等、
ドラムにはたくさんのマイクをつけてレコーディングする。
このマイクをどうおくかで音が変わってくるのだ。
ここがレコーディングエンジニアの腕の見せ所だ。
そういう作業を見届けて、私が歌の録音を
開始するのはだいたい朝方5時ぐらいだった。
そこからマイクの前に立ち、エネルギーを歌に注ぎ込む。
体力勝負だ。
もうへとへとになっている時もある。
そんな中、エンジニアのミスでヘッドフォンから
もれた音が録音されていたりしたことがあったりした。
そうなると、その日の録音はすべて使えなくなる。
そんなこともあって私は自分で好きに録音できるように
自宅スタジオを作り始めた。
器材によっては日本よりもアメリカの方が安い。
パソコンを利用して、ミキサーや録音用マイク、
インターフェース等を買い集め、
自分でレコーディングできる環境を整えた。
自由になんでもできるのが嬉しくて、
私はレコーディングの仕方、
ソフトの使い方など、
勉強し始めた。
急にマイクの音が変になったり、
録音がちゃんとできなくなったり、
ミキサーからノイズが生まれたりと
失敗も繰り返す。
それから15年ぐらいが経ち、日本に帰国しても同じように
スタジオを作りレコーディング作業をしている。
パソコンも高性能になり、器材も安く高品質のものも買える。
なんと恵まれた環境になったことか。
私のCD作りはそこからはじまる。
次のアルバムに向けて始動だ。
tomoko