トモコヴォイス会報誌vol.52
「いざ、水族館へ」
ー 海の世界を感じて -
先週、家から電車で三十分の新江の島水族館へいった。
息子ははじめての水族館。
さぞや喜ぶだろうと、親もワクワクしながら向かった。
その日はお盆休みで週末だったのですごい人だった。
小田急線の竜宮城のような片瀬江の島駅から暑さと人の
混雑でふらふらになりながらも駅から三分ほど歩くと
湘南の景色が見えてくる。
左に江の島、右に平塚、大磯などの山々も見えて
目の前には海岸が広がる。
さすがシーズンで海の家がたくさんあり、潮のにおい、
焼けた肌の水着の人がたくさんいた。
そんな中、水族館もほんとにたくさんの人だった。
ベビーカーを押しながらエレベーターで二階へ、
水族館特有の薄暗い中へと入っていく。
私は昆虫図鑑や、動物図鑑は、どきどきしながら
ページをめくってみる。
毒々しい色の昆虫だったり、大きな目が光っている猿だったり、
そんな写真をアップで見せられると驚きの恐怖に陥る。
実は水族館に来ても、そんな気分が自分の中に漂っていた。
すこしドキドキしながら一歩一歩進んでいった。
何百種の魚達が泳いでいる大水槽が迎えてくれた。
お~っと感動の声をあげてしまった。
地上界とは全く違った生き物たち。
エイの優雅な泳ぎには感動した。
空を飛んでいるようだ。
こちらまでもゆっくり深呼吸し落ち着いた気持ちに
させてくれた。
そして芸術的なイワシの群れだ。ずっとみていても飽きない。
そのたくさんのキラキラ光る大きな群れは一瞬たりとも
止まらず、ずっと動きっぱなしだ。
その真ん中を鮫が通ろうものなら真っ二つに割れる。
ピッピッとみんなで行く方向がわかっているように
方向転換、それぞれが行くべきところへ行く。
そして鮫が去るとまた元の一つになる。
イワシたちんは私たちにない超能力があるのだなぁ。
一匹ではなく大勢でまとまり身を守る。
その動きは本当にアート(芸術)と思った。
そんな魚たちもいれば、ときにはその異様な姿に
圧倒されるものもいる。
ウツボだ。
ひぇ~、あの大きな口と小さな目、なんとも
恐ろしい姿、怖い、怖い。
水槽の中からこちらをみて何を考えているのだろう。
本当は私たちを見て面白がっているのかもしれない。
息子に見せたいとイルカとアシカのショーを見た。
よく人間の意図を理解し動いてくれるものだと感心する。
イルカがジャンプする姿は本当にかっこよくてイルカが
愛おしく感じられる。
たくさんの人の中、息子を一時間以上抱っこして立ち見
していた私はイルカが出るたび、イルカ来たよ~って
声をかけるのだが、息子はイルカより人の群れに興味を
持っていたらしい。
最後の大歓声と拍手の音に驚き泣いてしまった。
帰り際に「ウオゴコロ」というショーをみた。
なんとあの大水槽にダイバーが潜って
魚たちとショーをする。
魚たちはイルカなどと同じように人間と心通わせ
られるのかと思った。
可愛らしい女性がでてきた。
どんな魚がやってくるかその時によって違うという。
彼女は酸素ボンベをつけて大水槽に入っていった。
すると彼女をおって小さな魚たちがやってきた。
彼女がくるくる回ると一緒にくるくる回るのだ。
そしてあのエイがやってきた。
エイが挨拶をするように顔のあたりをまげて
彼女の手に近寄る。
いっしょに泳ぎだした。
お~、魚たちとコミュニケーションをとることができるのだ。
それはとても神秘的で美しい瞬間だった。
息子もずっと寝ていたのだがその瞬間は起きて
興味深く見ていた。
海の世界よかった~!
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.52より
(2011年9月1日)
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