トモコヴォイス会報誌vol.86
「霜月の楽しみ」
ー美しい紅葉ー
秋が深まり、寒さが増して来る。
霜が降りることから霜月というこの十一月。
ハロウィーンも終わりクリスマスを来月にして
どんな楽しみ方があるだろう?
毎朝、息子を幼稚園に車で送りに行く。
幼稚園にいくまでの10分間のドライブを楽しんでいる。
走りやすいバイパスの下や脇の道。
そこには季節の花が植えられている。
6月には紫陽花、9月にはたくさんの
彼岸花で真っ赤になった。
そして今は木々の紅葉。
とても高い木がたくさんあって
いつもそこを通るのが気持ちいい。
紅葉を楽しむって、四季がはっきりしている
この国の文化だなぁ。
自然の色って本当に美しい。
そこで、なぜこう紅葉するのか調べてみた。
普段、葉が緑に見えるのは、葉の細胞の中で
光合成をしている葉緑体があるため。
気温がさがってくると、この葉緑体が分解し、
緑色の色素がなくなってくる。
黄色の色素だけが残るので葉が黄色に見えるのだ。
紅葉の赤い色は、もともとは含まれていない
赤色色素が合成されて、だんだんたまってくる
ことで葉が赤く見える。
紅葉とは一言でいうと、光合成ができなくなった
葉の老化現象といえる。
なぜ葉が落ちるのか。
なぜ木が葉を落とす必要があるかを調べたら、
ほ~っと感心した。
落葉樹の葉は一斉に散り始める。
葉が老化して働きが弱まると、葉の付け根のところに
離層(りそう)という特殊な細胞の集団が形成される。
葉は、この部分から離れていくのだそうだ。
日照時間が短くなり、気温が下がるにつれて、
根の水分を吸い上げる力が弱くなる。
落葉樹の葉は面積が広いため、水分が蒸発しやすいので
葉を落とすことで水分収支のバランスを図っているのだ。
乾燥する冬には葉の裏の気孔から、どんどん水分を
奪われてしまうため、葉があると木全体が死んでしまう。
そこで落葉樹は生育に不利な冬の時期は、
一度に葉を落として休眠するというわけだ。
葉があると生きていけないってことなんだな。
葉が落ちた木は棒のような枝だけになって
枯れているように見えるけど、意味があるのだなぁ。
落葉のもう一つの役割は根から必要なものを吸収する時に
間違って不要なものも吸い込んでしまうらしい、
そういう不要なもの、老廃物を葉に蓄えて、
年に一度捨てているのだそうだ。
排泄された葉は木の根元にたまって、
バクテリアなどに分解され、
木の栄養分になるのだ。
肥料をやらなくても森林が育つのは
毎年の落ち葉のおかげなんだな。
また感心するのは、落葉とは自然の風の力を
借りている、わずかな風でも落ちるのだ。
『風が森をつくる』という言葉がある。
アニメ映画の『風の谷のナウシカ』でこのセリフが
出てきていたけど、なるほどと腑に落ちた。
あらためて紅葉のしくみを知ると面白いなぁ。
自然の営みは素晴らしい。
すべてに意味がある。
無駄がない。
すべてが大切なことだ。
そしてその営みはぐるぐるとまわり命がつづいていく。
人はそれをみて、人の人生や一生を心に映すのだろう。
紅葉を感じることで無意識に、それが心にそれが響いてくる。
自然が人の心を和ませ、やさしく教えてくれているように。
ぜひ今月、この自然からのメッセージを
受け取りに外へ出かけた~い。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.86より
(2014年11月1日)
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