トモコヴォイス会報誌vol.65
「アメリカ生活 ~食」
ー 8年間のロサンゼルス滞在から -
二十歳のときにロサンゼルスへ私は渡米した。
初めての海外生活。
食べ物はやはり普段食べ慣れているご飯が大事と、
私は炊飯器と土鍋を荷物に詰めた。
(それらは後にすぐ壊れてしまったが)
アメリカで初めに感じたことは、
何にしても大きいということだった。
例えば、ファーストフード店などでソフトドリンクのMサイズ
を頼んでも日本のLサイズ以上のコップが出てくる。
あとは何といっても、日本では高いハーゲンダッツの
アイスクリームが、スーパーで安く買える。
バケツぐらいの大きさのアイスをスプーンで好きなだけ
食べるってことを一度してみたいと、やってみたりもした。
渡米した直後は太った。
でもそれをすると、人間食べ飽きてくるし
食べる量も限られていることを知るのだ。
長くいると徐々に食べ物の選択をしていく。
カリフォルニア、ロサンゼルスはとても健康志向だ。
もちろん、健康とはかけ離れたジャンクフォードも
あるのだが、健康をきにしていている人達の主張が強く、
タバコもレストランやバーですえない。
自宅か喫煙所でした吸えない。
日本には喫煙所がたくさんあるが、
ロサンゼルスではほとんどない。
喫煙者はとても肩身がせまいだろうなぁ。
早朝、仕事の前にスポーツジムに行く人、
きっかり5時に仕事を終えてジムに行く人。
車生活だからか運動も身近にあって健康的だ。
私もジムに通っていた。
また私が住んでいる間にはオーガニックのスーパーが増えた。
有機栽培、無農薬の食品を売っている。
日本だと、オーガニック食品はまだ値段が高いが、
アメリカでは安く、種類も豊富だ。
私の住んでいたアパートメントから徒歩3分で
『Whole Foods』というオーガニックスーパーがあった。
私はそこの常連だった。
店の前に駐車場があり、みんな車で買いにくる。
店の入り口には、たくさんの花。
花畑のようで見ているだけで気分が良くなる。
立派なカサブランカも6ドル。
よくそこで花を買って部屋に飾っていた。
日本との違いは包装にある。
花は花のみだ。
花にかぎらず、日本はサランラップや発泡スチロールの皿に
トマトが包装されて売っているが、アメリカはそのままだ。
包装されていない。
量り売りなので一つでも何個でも好きなように買える。
その店では、豆類、チーズ、チョコレートも量り売り。
とてもエコで、シンプルでいい。
店に入ると左にベーカリーがある。
3、4ドルで美味しいパイやデザートを買える。
パンは日本のパンとは違う。
アメリカのパンはポソッとしている。
トーストだったらWhite(白かBrown (全粒分、小麦の
ブツブツが入っていたりする)と選べたりする。
まずいものもあったが選べば美味しいパンを食べられた。
時には日本のパンを懐かしんだ。
日本のパンは本当にふわふわモチモチだ。
そういう食感を日本人は好むのだろう。
砂糖が多いのだ。
アメリカのパンになれると日本のパンは甘いと感じたものだ。
でも帰国してずっと食べているとそのことを忘れて
当たり前になってしまう。
味覚って習慣なんだろうな。
もう少し店の中へ進むと野菜売り場がでてくる。
いろんな野菜があった。
日本の大根もDaikonと表記され売っていた。
いつもは洋梨があるが、秋になると日本の梨、
Asian Pearsも売っていた。
それを買うのが楽しみだった。
その野菜売り場には搾りたてオレンジジュースが売っていて、
私は大好きだった。
濃縮された100%オレンジジュースとは全然違う。
酸っぱくない、甘くてとても美味しかった。
味噌もMiso、醤油はSoySauceで売っているので
だいたい日本食は作っていけた。
鍋でご飯を炊き、味噌汁を作る。
秋にはやっぱり栗ごはんもつくった。
これが私の食生活だった。
やっぱり日本人なのだ。
tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.65より
(2012年10月1日)
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